CASE #14e-casebook LIVE|学会の指導医養成講座のオンデマンド配信

現地参加が難しい専門医もオンラインで指導医申請・更新資格を取得

安田 一朗

日本胆道学会 理事長 / 富山大学学術研究部医学系 内科学第三講座 教授

これまで日本胆道学会の指導医養成講座は現地開催で行われており、会場の確保や、現地に参加できない医師にとって指導医の新規申請や更新のための資格取得が難しいという課題があった。しかし、2022年から指導医養成講座はオンデマンド配信(※1)での受講が可能となった。
e-casebook LIVEのオンデマンド配信は、参加申込、受講の視聴記録、テスト受講、受講証明書発行までをオンラインでシームレスに行える。他学会での採用実積もあり、2023年開催の第59回日本胆道学会学術集会の指導医養成講座でe-casebook LIVEが採用されオンデマンド配信を行っている。
※1 学会終了後に学会映像の録画をWEBで配信すること。受講者は好きなタイミングで受講できる。

記事公開日:2023年11月8日
最終更新日:2023年11月20日

日本胆道学会の目的と活動内容

日本胆道学会は1965年に発足し、胆のう造影研究会から始まりました。その後、いくつかの変遷を経て、2021年に一般社団法人日本胆道学会となり、(2023年)現在、約3700名の医師会員が登録しています。この学会の特徴は、消化器内科と消化器外科の医師がほぼ同数で、内科と外科双方の視点からの議論が活発に行われる非常に面白い学会と言えます。

胆道とは、肝臓から十二指腸までの胆汁が流れる管(胆管と胆のう)を指し、この領域に関する疾患には、胆石症、急性胆管炎、急性胆のう炎、胆のう癌などが挙げられます。日本胆道学会の目的は、胆道に関する学術研究の向上と発展、国民の福祉と医療の発展に寄与することです。昨年、私は理事長に就任し、今後の方針として、胆道研究の推進、胆道専門医の育成、より良い胆道診療、国民への貢献、世界への情報発信に焦点を当てることにしました。

指導医養成講座の現地開催によるスペース確保の課題

学会の活動の一つとして、学術集会の開催があり、最新情報を得たり意見交換したりする場として毎年当番制で開催しています。最近の傾向として、指導医養成講座などのいわゆる卒後教育に関するセミナーは、学術集会とは別の日程で行う学会が増えてきています。これにはいくつかの理由があります。

まずは、スペースの確保が必要な点です。最近の指導医養成講座は、多くの学会で指導医の更新要件や申請要件に含める学会がほとんどなので、多くの受講者が集まります。もし学術集会と指導医養成講座を同日に開催すると、多くの参加者が集まることになり、大きな会場を用意しなければなりません。そして、同日の開催の場合、指導医養成講座に参加者が集中し、学術集会の他のプログラム・セッションへの参加者が減少してしまう可能性があります。もし指導医養成講座の日程をずらして開催したとしても、別途会場を用意する必要があり、余分なコストや労力を必要とし、当番の施設にとって大きな負担となります。

指導医養成講座のオンライン受講の選択肢

上述の課題があり、日本胆道学会の指導医養成講座は2022年から、オンデマンド配信で受講できるようになりました。実際、現地開催のみでは参加できない医師もいます。例えば、産休や育休中の医師や、業務の都合でスケジュールが合わない医師などです。そして「現地参加できなかったが、指導医資格の更新をしないといけない。どうすればいいか」などの問い合わせも多く寄せられていました。オンデマンド配信はこうした医師たちにとって非常に有効で、各施設や自宅で講座を受講し指導医の資格の更新や申請が行えるようになりました。この変更には会員のみなさんが喜んでおられます。

e-casebook LIVEの学会オンライン開催の実積が大きな信頼に

2023年の指導医養成講座のオンデマンド配信はe-casebook LIVEを採用することになりました。採用の決め手は、e-casebookチームの対応が非常に迅速で誠実だったからです。

指導医養成講座は私が所属する講座内の学会事務局が担当しており、毎年当番制で変わる学術集会事務局と連携しながら調整しなければなりません。他の学会の指導医養成講座は学術集会とは別に参加費を徴収することが一般的ですが、本講座は参加費を徴収していません。つまり、学術集会への参加と指導医養成講座受講資格がリンクしているため、受付を一つの窓口で行う必要があります。このため学術集会の参加受付登録もe-casebook LIVEに依頼することとなりました。高いハードルだと思われましたが、調整が円滑に行われ、当日の現地での入退室も大きな問題もなく対応いただきました。

e-casebook LIVEのUIデザインは直感的で、アクセス方法、参加申し込み手順、オンデマンド視聴の方法、テストの受講方法、受講証明書の発行などが分かりやすく、学会のオンライン開催の運用に慣れていると感じました。私自身も受講しましたが、操作がとても簡単でした。

他社と比較することなく採用の決定ができたのも、e-casebook LIVEが過去に数千人規模の学会のオンライン開催の実積があったことが大きく、安心して依頼することができました。

 

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学会活動の展望

日本胆道学会の活動として、専門医の教育はもちろん重要ですが、一般の方々にも学会の活動や、胆道の疾患に関する啓蒙活動により一層力を入れていきたいと考えています。一般の方々への情報提供に関しては、現在、学会公式ページでの情報発信や、学術集会の際の市民向け公開講座の実施を通じて行っています。できるかどうかはわかりませんが、将来的に国民の方々に有益な情報提供を行うという点でe-casebook LIVEとコラボレーションができたらと思っています。