DOCTOR'S VOICES
遠く離れた海外からでも気軽にオンライン研究会に参加
井村 慎志 氏
岡村記念病院 循環器内科医師
2018~2019年まで、アメリカのスタンフォード大学のCardiovascular Core Analysis Laboratoryに留学した井村氏。海外での留学中に術者としてカテーテル治療ができず、臨床感覚を維持したいという想いからe-casebook LIVEを視聴。住む場所が変わってもクオリティーの高いコンテンツが視聴できると井村氏は話す。
記事公開日:2020年6月10日
最終更新日:2023年11月20日
憧れの海外留学で画像解析方法を学ぶ
大学卒業後、循環器内科医として働く一方で、留学への強い憧れがありました。夢を実現させるため、血管内イメージングカテーテルの分野で留学先を探していたところ、公募プログラムを見つけ、すぐさま応募し、スタンフォード大学で1年間、リサーチフェローとして留学することになりました。
留学中はコアラボに所属し、心エコー、心臓カテーテル、血管内超音波検査(IVUS)、光干渉断層撮影法(OCT)などの画像の解析方法を学んだり、施設に蓄積されたデータの解析に携わりました。臨床面ではカテーテル室で心血管のカテーテル治療である冠動脈インターベンション(PCI)や各症例に関連するIVUSやOCTの測定をしていました。アメリカでは私自身が手術者(オペレーター)となり手術をする機会がなかったため、帰国後、臨床医としてすぐ現場に適応できるか不安に思っていました。
オンライン研究会に参加して「技」をインプット
同僚から「オンラインでライブや症例検討を見ることができるサービスがある」と聞き、e-casebook LIVEを知りました。会員登録後に届いたお知らせメールに記載されたライブ配信に興味を持ち、ライブを視聴しました。実際に手術をする機会がなかったので、臨床的な感覚を取り戻すのに大変便利だと思いました。
特に印象深かったライブ配信は、角辻暁先生(大阪大学)による「角辻先生が教えるPCIが上手くなる講座#01解剖を勉強してタンポを作らない」でした。角辻先生が今までの臨床経験から得た知識やポイントを講義形式で定期配信するシリーズです。この回では、病理のスライドや実際の心臓を使った動画で心外膜のイメージが分かりやすく説明されていて、非常に勉強になりました。ライブ配信画面にはチャット欄もあり、講師と参加者が双方向に議論できる仕組みがあります。リアルタイムで寄せられた質問に対して角辻先生が迅速にレスポンスされているのを見て、オフライン研究会に参加しているのと変わらない、もしくはコメントが気軽にできるという点からそれ以上の価値があると感じました。視聴したライブが非常に勉強になったため、次回も視聴しようと思いました。
その後、木下順久先生(豊橋ハートセンター)のプロクターライブ(若手医師がオペレーターを務め、経験豊富なマスターオペレーターがセコンドにつき指導する手術ライブ)も視聴しました。私と同年代の医師が治療戦略から手技まで頑張って治療をしている様子を見て、私も臨床医としてより多くの経験を積んでいかないと、と非常にいい刺激を受けました。
コロナ禍の医療技術の教育。e-casebook LIVEに期待すること
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、Web配信の重要性は益々高まっていくでしょう。このような中で、e-casebook LIVEが、どこでも誰でも気軽にアクセスすることができ、心血管の冠動脈の慢性完全閉塞(CTO)などの難しい症例に対する卓越した技術を共有でき、初心者でもその分野を一から学ぶことができる、医療の標準化に貢献するサービスになることを期待しています。